みさお

ホテル・ムンバイのみさおのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.0
2008年に起きたムンバイ同時多発テロの際、タージマハル・ホテルに閉じ込められた500人以上の宿泊客と、プロとしての誇りをかけて彼らを救おうとしたホテルマンたちの姿を描いた作品。

「お客様が取り残されている」
「私たち従業員が逃すんだ」
「強制はしない」
「35年勤めて来た、ここが家です」
「お客様は神様です」

タージマハル・ホテルで、銃に立ち向かった名もなきホテルマンたち。実話に基づいており非常にリアルで引き込まれた。

この映画の主役はもちろんこの名もなきホテルマンたちだ。
彼らの中にスーパーマンはいない。
銃を乱射する実行犯に対し、恐怖を跳ね除けながら素手で立ち向かう姿に深い感動を覚えた。

一方、実行犯たちの状況もよく描かれていた。
まだ幼さが残り少年とも思える実行犯たちは、多分教育もろくにされず洗脳され、イスラム過激派の首謀者の無線指示で、なんの疑いもなく殺人を重ねる。
彼らは貧しさから、絶望感から逃れるためにジハードを行なっており、死ねばお金が貧しい家族に渡ると信じているのだ。
観ていてほんとにキツかった。
宗教の対立の裏には、貧困と無教育が付き纏う現実は現在進行形だ。

因みに、アラビア語では「ジハード」は「努力」。宗教上の用語でも「命も地位もお金も惜しまずに、最大限できる努力」を意味する。その努力が「戦い」だと思えば、それも「ジハード」になるわけで、そのロジックを反欧米勢力やテロリストが利用しているのだ。

デヴ・パテルはいい役者だ。