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ホテル・ムンバイのmiminagaのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.2
2008年に起きたムンバイの同時多発テロ。実話に基づくお話。書きながら同時多発テロなんて言葉が広く知られてることに動揺する。この映画で起きた事と同じような事が、あちこちで起きているという事実に改めて気づいた。

ごく少数の少年によって、あっさりテロが始まる。躊躇なんてない。同士のために人を殺す使命を持ってやってきた人達と、日頃からお客様を神さまとして扱っているホテル従業員。どちらも神を思っている事が皮肉だ。

殺すことは出来ても、女性の下着の中に隠してあるだろうパスポートを取り出すことは出来ない。トイレに感激してみたり、お金の心配をしたりテロリストも本来は普通の少年なんだって事がさりげなく表現されていた。手に汗握る状況のなかで、人間に戻る瞬間だった。

最後のテロップで「タージマハルホテルの戦士」という言葉が出てくる。まさに戦士。逃げるチャンスはあったのに職場の為にここまでできるのか。いや、人としてこれ以外の選択肢はなかったのかもしれない。頭が下がる。建物のその後にも驚いた。日本だったらどうなのかと考えてしまう。

役者さんもとても良い。映画として凄くよく出来てると思う。緊迫した2時間。没入した。
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