く…苦しい……。
この映画のすごいところは、ある1面をきちんと描くことにより、観客の思考をぐらっと揺さぶっているところにあると思う。しかもそれを最短の時間で見せていることがすごい。脱出劇で終わらない。更にどすんと抉る一手だったと思う。苦しい。
実話もの観た時に「良かった」という言葉を使っていいのか、毎度悩む。実際に命を理不尽に奪われる恐怖を味わった人、亡くなられた人がいるのに、軽々しく「良かった」と言ってもいいのか。わからない。わからないままだけど、わたしが映画を観た後に感じたこのやるせなさとか、苦しさとか、うまく言語化出来ない、どすんとした感情を、わたしは大事にしないといけないと思った。
誰かがエンターテイメントを通してでも伝えたいと思った出来事を、知らないより知っていたいから、わたしはこの映画を観て感じた恐怖や苦しみを覚えておこう。