俺たちの福浦

ホテル・ムンバイの俺たちの福浦のレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
3.6
ものすごい緊張感。ブルースウィルスやランボーみたいなヒーローは1人も出てこず、銃器の前では誰一人として無力でしかありません。実話をもとにしているだけあってリアルです。始めから最後まで息をひそめて見入ってしまいます。また、無言で料理長と抱き合うシーンなど演出も素直で分かりやすいです。そういう意味では面白いのだと思います。
でも、映画としてはどうなのかなぁ…。
犠牲者の半分を占めるというホテル従業員の正義と勇気を描こうとしているのは分かるのにそれが伝わってこなかったです。
えっ、この人が!と思う人が次々と死んでいくし、実行犯の若者を騙すテロリストは最後までのうのうと生き残っているし。テロや戦争の現実をあまりにも正直に描き過ぎていて最後まで見るのが痛かったです。
生き残ったのはほとんどインド人。そのアルジュンたちを通して、家族の絆や大切さを象徴的に表現しているところが救いになるのだろうけど、カタルシスを感じるまでには至りません。
結局、何を求めてこの映画を見ようとしているのかによって評価に違いの出る作品ではあると思います。
俺たちの福浦

俺たちの福浦