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ばるぼらのmuraのレビュー・感想・評価

ばるぼら(2019年製作の映画)
3.8
二階堂ふみの裸体が人形のような、いうなら生物的ではない美しさ。こういった映像がこの映画の魅力。撮影はクリストファー・ドイル。

手塚治虫の原作。それを子の手塚眞が映画に作りあげた。「都会が垂れ流した排泄物のような女」ばるぼら。作家のミクラはばるぼらと出会い、その魅力に取り憑かれていく。ミクラは売れっ子でありながら、凡庸な作品しか生み出していないという負い目があり、奔放なばるぼらに非凡庸なものを感じてということもあって。ただ、ばるぼらに惹かれれば惹かれるほど、まわりの者たちには危険が迫って…といった話。

いつ、どこの話?…といった感じ。その点では手塚治虫の世界といえるか。映像に加え、美術と音楽によってその再現をはかる。ただ…ミクラが取り込まれていく倒錯した世界というのが今ひとつピンと来ず…。振り切れていないようにも思えて。

上半身裸にサスペンダーの女性バーテンダーには度肝を抜かれたけれど 笑

映像はなかなか面白い。建物も家具も、酒も音楽も洒落ている。かっこいい。ミクラとばるぼらのラブシーンもきれいに描かれる。

しかしこのセックスシーンは、ジャニーズの稲垣吾郎であればできなかったよね。役者としての可能性も広がって万々歳よね。
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