寄る辺ない中学生達の、ひと夏。
・コウ 父親が学校の教師。教師(父)をいじる同級生達といじられるままの父を冷めた目で見つめる、家庭では会話なし。
・ユウカ 友達もいて明るいけれど、渋谷でぶらぶらしながら援交を重ねる。その中でコウの父と関係ができる。
・サキ 過干渉で威圧的な父を嫌悪。母親は頼りなく、自傷と自閉で自分の殻の中に籠もる。
彼ら3人が、ある音楽がきっかけで邂逅するけれど、緩く、相手に立ち入らず、お互いがお互いに何となく(同じような気配を)察して、一緒の時間を過ごす。それだけの話。
屋上の花火、楽しく、少しさみしい。
花火が消える瞬間のような、いっときの明るさと終わりの予感。
抽象的な物語。
廃ビルの屋上が秘密基地みたい。
そんな場所を見つけて、ひとりの時間を過ごすこともしたかったなあと思う。
10代の寄る辺なさの表象。
頼りなく、繋がりは脆く、大人は気がついてくれない。
そんな映画。
好きです。