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オオカミの家のsonozyのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.5
チリのビジュアル・アーティスト、ストップモーション・アニメ制作のデュオ、レオン&コシーニャ(クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ)の初長編作品。

チョーク、絵の具、粘土、紙、人形など様々なオブジェクトが変幻自在に映像空間を移動、変容し続ける映像と、主人公マリアと、オオカミの囁くような声、効果音などのサウンドデザインで、こんなの見たことない!独創的過ぎる幻想/夢想的な映像世界にに引き込まれる視聴体験でした。

ここにあらすじが出てますが、ストーリーはどうでも良くなる?感覚。
アリ・アスターのコメント「レオン&コシーニャは、まぎれもなくヤン・シュヴァンクマイエルとクエイ兄弟の後継者だ。『オオカミの家』のような作品が作られたことは、過去に一度もない!」というのに完全同意です。

〈製作の背景〉
1961年にドイツ人のパウル・シェーファー・シュナイダーによって設立されたチリ南部のコロニーで起きた、実際の事件をモチーフとしていて、そのコロニーでは拷問、性的暴行、殺人が行われていたが、外部には写真集や記録映画を用いて素晴らしいイメージを発信していた。
これを知った監督たちは「もしこの支配者シェファーがウォルト・ディズニー的に宣伝映画を作ったらどうなるか」と着想したのが本作制作のきっかけになった。
彼らの作風には、チリ、ラテンアメリカらしいワイルドさや、チリに根付く政治的な恐怖という現実が盛り込まれているという。
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