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星に願いをのhorahukiのレビュー・感想・評価

星に願いを(2019年製作の映画)
4.1
なんかわからんけどめちゃ好きなやつ!!
映画見終わって放心状態になったの久々かも♪

コレも夏のホラー秘宝まつり2019公開作なのですが、今回の新作の中で一番影が薄かった(勝手なイメージ笑)ので一切期待してなかったんです。でもめちゃ面白かった!

世の中のクソどもを不貞腐れた女子がボコボコにするストレートな世直しバイオレンス映画かと思ってしまうような導入。

でもそこから予想外の方向にどんどん進んで行き、その外し方が観客への配慮を感じさせないほどに暴力的で、思考が追いつく間もなく全然知らないところにいきなり放り出されたような疎外感を感じさせるんだけど、提示される微かな道筋がギリギリで観客を繋ぎとめるバランス感覚が絶妙で、押し出されたと思ったら引き寄せられてみたいな感じで最後までずっと不思議な吸引力を感じました。

退廃的で背徳的でこれ以上一歩も後退できない危うさと息苦しさをバリバリに感じさせながらも、時系列もキャラクターも虚実でさえもグチャグチャになっていく浮遊感をポップでムーディな曲たちが後押しするドラッギーな感覚が最高に心地よかった。

社会の最下層で喘ぎながらも、それぞれに何かしらの形で現実と戦い続ける姿と、決意なり何なりを秘めた表情の力強さは言葉で語らずとも響いてくるものがあるし、中でもほとんど何も語らない彼の顔から滲み出る叫びには心が震えました。

本当は気づいてるんだけど諦めて奥底に閉じ込めてしまった「痛み」が積み上がっていくことで「悪意」になっちゃうんだし、膨れ上がった悪意は当然強大な力を備えてるわけで、でも悪意に面と向かって立ち向かう善なんていうわかりやすいことは描かずに、とにかくグチャグチャに入り乱れていくクライマックスは何でかわかんないけど、凄く爽快感があった。

人間の内面の多様性なんていうと凄くチープな言葉になっちゃうけど、人の心の中って本当にグチャグチャでわけわかんないものなわけだし、その中でも何か一筋温かいものがあればそれにしがみつくことで生きていけるんだし、何の解決にもならなかったとしても毎日そうやって心の中の帳尻合わせてみんな必死に生きてるんだなって、何か良くわかんないけどそんな感じのことを思いました。

今年のホラー秘宝新作の中で、コレが圧倒的に好きでした。というわけで私的には『星に願いを』→『残念なアイドルはゾンビメイクが良く似合う』→『BEYOND BLOOD 』→『シオリノインム』→『怪談新耳袋Gメン孤島編』→『VAMP』の順でした。