天豆てんまめ

草原の輝きの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

草原の輝き(1961年製作の映画)
3.8
「エデンの東」や「波止場」のエリアカザン監督は胸を抉る青春映画を撮るのが本当にうまい。

若々しいウォーレン・ベイティとナタリー・ウッドの2人の愛すれどすれ違う葛藤と嘆きを全身で表現してこれぞ青春映画という感じ。

2人は愛し合っているが、ナタリー・ウッドは厳しい母の影響でウォーレン・ベイティのすべてを受け入れるに至らない。ベイティは父親にフットボールの選手としてエール大学に行けと言われていて重荷を感じている。彼はその苛立ちのまま、なかなか受け入れてくれないナタリーの代わりに誘惑に負け、他の同級生と寝てしまう。ナタリーはショックで川に身を投げて、ベイティが飛び込み命を取り留めるものの、彼女は精神病院に入院して、、と物語自体はうまくいかない方へとどんどん流れていく。

抑えきれない感情とそれに抗えない愚かさと、、うまくいかない2人をもどかしく眺めつつ、名匠エリア・カザンの描く青春映画は映像もビビッドさと厳しい演出で、青春の痛みに満ちたリアリズムを隅々まで表現していると思う。