段ボール箱

影裏の段ボール箱のレビュー・感想・評価

影裏(2020年製作の映画)
3.8
誰かにとっての悪者が、自分にとってもいつもそうとは限らない。
松田龍平演じる日浅は、いわゆる人でなしで、友人のセクシャリティを無視するし、彼の都会的な趣味も否定する。他人との信頼関係を長く保つための努力をしない。
が、こういった人が万人にとって常に悪であり続けているかというと実はそうでもなく、例えば今野との楽しい時間は双方にとって本物だった。
人を見るときはその人の裏、最も暗い影の部分を見る。けれど、必ずしもそれがその人全てではない。
人間ってひとことでなんか定義できない存在だな、と思った。