にーやん

ブラインドスポッティングのにーやんのレビュー・感想・評価

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)
3.9
人の見方には必ず盲点がある…


これはきっと凄い映画だ。
二人別々の視点で描かれる 差別 という根深い問題を真っ向から訴える。『グリーン・ブック』とも違う『Help』とも違う、ヒリヒリとしたリアルな余韻がいつまでも残る…そんな作品。


黒人の街オークランドで育ったコリンと白人のマイルズ。幼馴染みで『親友』でもある。…同じ職場で働き、常に行動を共にし、同じものを見てきたはずの二人は、実は…同じ思いを共有することはできていなかった…。




前半はコミカルなバティもの。ハラハラしてながらも観てはいられるのですが、終盤になるにつれシリアスな物語として描かれてゆきます。ユーモラスでいてナイーブで、かつ暴力的な描写はとことんリアルに…。オークランドの今が伝わってくるような素晴らしい脚本。盲点から生まれる全ての差別について深く考えさせられました。

歪んでも曲がっても、それでもこの街で生きていく…リアルなシーンにリアルなラップは本当に響きました。にしても…切なすぎて非常にやるせない。
にーやん

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