アキラナウェイ

エボリューションのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

エボリューション(2001年製作の映画)
3.1
高校3年の頃、テレビ朝日系列でX-ファイルのTVシリーズが放映されまして。そこから一気にハマりこんで、VHSビデオレンタルでシーズンをどんどん借りて…。後にも先にも海外ドラマで最後まで観たのはX-ファイルだけ。

そんな僕にとって、モルダーとスカリーは青春そのもの。

この映画の存在は知っていたけど、デイヴィッド・ドゥカヴニーが、モルダー以外の役を演じるなんて許せなかったのか、単純に惹かれなかったのか、長らく寝かせたままになっていました。

アリゾナ州の砂漠に隕石が落下した。グレン・キャニオン短大の生物学教師アイラ(デイヴィッド・ドゥカヴニー)と地質学者ハリー(オーランド・ジョーンズ)は独自に調査を開始する。隕石から採取した液体に含まれていた単細胞生物は46億年分の進化を1ヶ月で成し遂げるエイリアンだった!

これは、生まれてくる年を間違えた映画。
ノリは80年代〜90年代。CGは当時にしては頑張っているけど、2000年代に振り切れてない特殊効果。

80年代〜90年代で稚拙な特殊効果でもノリの良さで振り切れてしまうか、2000年代後半あたりでもっとCGで頑張って、もっとクールなノリでも良かったかも。

そう、これは多くの方が喩える様にSF版ゴーストバスターズ。でも、ゴーストバスターズのノリで行くなら三つ目のトレードマークをもっと全面に出しても良いのに!

気になったのは、消防士志望の彼。
彼の言動がどうも僕の笑いのセンスとは微妙にズレていて、笑えない上に少しイラつく。エイリアンを呼び寄せる為に奇妙な鳴き声や歌声を披露する度に、イライラ。

コメディって難しい。
少しピントをズラしても、そのズレで楽しめる人もいるけれど、ズレたお陰で僕は楽しめませんでした。

主演2人と、ドジっ娘ジュリアン・ムーア(ドジ設定が必ずしも必要とは思わないが)、ダン・エイクロイドの登場など良いところもあるのに。

そもそも、デイヴィッド・ドゥカヴニーが隕石の調査をしている時点で、X-ファイルのセルフパロディだし、消防隊のユニフォームを身に纏い、ダン・エイクロイドが脇役で出演している時点でゴーストバスターズのセルフパロディとして、ある一定の成功は収めているが。

生まれてくる年代と微妙な笑いのズレを微調整すれば、劇的なエボリューションを見せたかも知れない、僕にとっては随分惜しい映画。