明日5月29日はヴィスコンティ監督が晩年、寵愛した俳優ヘルムート・バーガーの74歳のお誕生日。
ナチスとデカダンの名作『地獄に堕ちた勇者ども』で一躍スターダムに駆け上がったバーガー氏は
ヴィスコンティの死後、再び本作『サロン・キティ』でエログロ度強めなナチス親衛隊の男を演じます。
ちなみに日本劇場公開時のタイトルは『ナチ女秘密警察 SEX親衛隊』
監督はイタリアのポルノ映画界を牽引するティント・ブラスで、
『地獄に堕ちた勇者ども』でバーガーと共演した女優イングリッド・チューリンもキティ夫人役で出演。
ヒトラーが唱えたアーリア人至上主義に則り、アーリア人女性だけの娼館を創設する将校をバーガー、その経営者をチューリンが演じます。
実在した高級娼館SALON KITTYではあらゆる性技を教え込まれた女性たちが国家社会主義の名の元に奉仕し、
その裏で諜報活動を行う過程を退廃的な雰囲気で描破していきます。
政治利用にまったく気づいていないキティ夫人、美しき娼婦マルガリータに心を乱されるバレンベルグ将校、そしてマルガリータの純愛を追うことで物語は女たちの復讐へと発展。
SSのあらゆるコスチュームをビシッと着こなしちゃうバーガーの美しさよ。
横綱の『地獄に堕ちた勇者ども』よりも、関脇の『愛の嵐』よりも、
小結の『サロン・キティ』でしか味わえないエログロはダントツの猥雑さ。