映画『グロリア 永遠の青春』
相変わらずハリウッドはリメイクが続く。これはアイデアがないのではなく、オリジナルな企画が通りにくいということではなかろうか?
主演のジュリアン・ムーアがチリ映画の傑作『グロリアの青春』を気に入ってリメイク。監督も同じチリのバスティアン・レリオ。レリオ監督はついにハリウッドに進出。トランスジェンダーを描いた『ナチュラルウーマン』も傑作だった!
リメイクを熱望しただけあって、ジュリアン・ムーアは熱の入った体当たりの演技をみせる。この人50歳くらいだと思ってたら60歳だった!
大人の恋と性を描くこの映画。主人公が下だけ脱いでセックスするのがなんとも歳を表現した上手い演出。少し大きめのメガネとかもなんだか生々しい。大人のあるあるな感じもやばい。
夜な夜な喚き散らすアパートの上の住人。彼は別れた夫との間に生まれた息子と同じくらいの年。家に勝手に入ってくる毛のない猫。脱毛や美容に気を使う独り身の中年女性。
心情とリンクして流れる懐かしい曲たち。主人公グロリアの鼻歌は♪オリビア・ニュートン・ジョン、♪エアサプライなど。ポール・マッカートニーの♪ノー・モア・ロンリーナイトとボニー・タイラーの♪愛のかげり(Total Eclipse of the Heart)が効果的に使われる。
ラストのローラ・ブラニガンの♪グロリア。チリ版のオリジナルで流れるのがカバーだと思っていたら、ローラ・ブラニガンがカバーだった!オリジナルは1979年にヨーロッパで大ヒットイタリアのUmberto Tozziの曲。その後、1982年にカバーして大ヒットしたのがローラ版。