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ウィーアーリトルゾンビーズのandhyphenのレビュー・感想・評価

4.0
試写会にて。
誤解を恐れずひと言で言ってしまえば「エモい寓話(怒られそう)」。話は現実離れしている。現実に立ち返って突っ込んではいけない。なぜ中学生の持っているゲームのハードがあんなにレトロなのかとか、お前らなんでそんなに自由に動き回ってるんだよ(警官来るだろ)とか、お前いつベース弾けるようになったんだよ、ドラム叩けるようになったんだよとか、結局契約どうしたんだよとか...そういうことを考えてはいけない(考えてしまった私は老害だ)。これは映画。フィクション。寓話。以上!
8bitのピコピコミュージック(大変ノスタルジーを感じる)や映画の色彩の派手さ(これが最後に効いてくるのがすごい)、ゲームに擬える視点、子どもから見た大人、インパクト溢れる衣装と歌...。ある意味全てが「子どものおとぎ話」、しかしその背景が凄惨極まりないというところ。両親を喪うという絶望、咀嚼できない感情、理不尽(に見える)大人、正義という名のバッシング、盛りだくさんの感情を4人の子どもたちが背負い駆ける。悲壮感もなく。ある意味無味に。しかし感情的に。
私がもっと若かったら、多分泣いていただろう。でもだいぶ歳をとってしまったのでどうも分析してしまう。悲しい。
ちょいちょい挟まる小ネタの妙が才能だなと感じた。「城」が出てきたときはビビったが。そういう細かさに笑うのも楽しい見方だし、感情や家族や大人や、人生について考えて観るのもひとつではあるだろうと思う。詰め込みがすごくて多面的な映画なのだ。
子役たちは、リアルさがないのが逆にフィクション性を際立たせていて良かったと思う。リアルな演技でない感情の出し方というのが嵌る映画なのだ。それにしても脇が豪華すぎて笑ってしまった。恐ろしいほどオールスターキャストである。よく揃えたな。出番少ないけど印象が強すぎるでしょ(褒めています)。
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