お決まりをなぞっただけの淡色な映画を見飽きたあなたへ。物語冒頭から終わりまで隠そうともしない悪戯心。でもちゃんとメッセージ性は感じるという抜け目なさ。
死生感の歪みが凄まじい。生きるって何か、愛って何か、家族って何か、死ぬって何か。人の死で悲しむということは、不自由なく色々な条件が満たされているからなのか、と。「不謹慎」ではあるが、その一言では片付けられない。
ゲーム調の演出はなぜレトロゲーム風なのか。それがつながったようなつながらないような…。でも、演出としては面白くて好きなので良し。
音楽センスは劇中の評価通り光るものを感じた。強引な形で音楽に走ったなあ、と思ってたら魅了されていた。
中島セナ…いいね!魔性の女ってオーラが滲み出ている。
ラストだけ腑に落ちないのが残念ではあるけれども、久々にネジの飛んだような映画が観れた。期待が薄かった分、驚きの連続。非凡なセンスに圧倒された。