とみやま

ウィーアーリトルゾンビーズのとみやまのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽やドラマを作り上げようとする物語って、どんなものでも尊い側面を抱えているよね。日頃抱えるフラストレーションを昇華させて、ここではないどこかへと歩みだそうとする。その、ここではないどこかというものを、今いるこの場所に生み出そうとする。だからとても素敵だと思う。
で、大人とかかわる世界、学校の世界、親との世界に絶望して、世界の鮮やかさを感じ取れなくなった子どもたちが、自分の置かれた立場を現在にぶつけるためにバンドを組む。その音楽はとても躍動感があって、いい。

劇中、バンド以外の登場人物の心情はかなり人工的。子どもたちの世界の感じ方をそこに投影してるのだろうけれど、納得できるかと言われると、少し厳しい。この人たち生きてるのかな?って思う。台詞回しとかそういった外面的なところを人工的にしているので、僕らが生きている世界の延長線上に彼らがいるかと言われると、うーん…って感じ。

でもさー、これ製作が電通じゃないですか。電通こそ、この子どもたちが嫌う大人の典型じゃん!彼らのバンドを利用した大人たちって、まさに広告代理店なんだよね!!映画に罪も何もないけど、歪んだものを感じるよね…。監督が考えている本質は『大人は判ってくれない』的なテーマとロックンロールなのだけど、映像編集の見せ方は終始PVっぽくて、実は子どもたちの抱える大人への反発衝動というテーマとのズレがあるんじゃないのかな…。うーん
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