ホリ

ウィーアーリトルゾンビーズのホリのレビュー・感想・評価

3.8
長久監督が求める演出…この作品になると芝居面になると思うのですが、子供達が虚無的に台詞を吐き出す姿にはどうしても違和感を感じてしまった。
『そうして私たちはプールに金魚を』の場合は、ループ的な日常に嫌気を指している女子高生たち。
彼女たちが吐き出す言葉と、
毎日彼女たちが見ている日常景色の映像がマッチングして、世界観に呑み込まれていくような感覚がした。

しかし、この作品の場合は
『呑み込んでやろう』という監督の演出の色の方が強い印象で、子供達が吐き出す台詞と映像にズレを感じてしまった。

子供というキャスティングで、彼ら視点に寄り添い、まるで現実がゲーム世界のように見える感覚…それに伴うコンセプトは非常に力強く伝わってくる。

個人的には『親』を亡くした子供達というバッググラウンドを簡単にまとめ過ぎたという印象。
全てを無くした子供達という前乗りまで、ゲームのような紹介方法で、そこに感情移入をする間も無く、オムニバス方式で、それぞれのストーリーが展開されてしまうので、純粋に長いと感じてしまった場面も。

現実はゲームみたいにリセットなんか出来ないし、過去形の行動はリセットボタンを押して無かったことになんて出来ない。

終盤の子供達が運転するシーンも、
そういう意味では、リセットするシーンはいらなかったと思うし、ゲーム寄りな世界観に没頭させすぎという印象を受けた。
ホリ

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