銀色のファクシミリ

ウィーアーリトルゾンビーズの銀色のファクシミリのレビュー・感想・評価

3.7
『 #ウィーアーリトルゾンビーズ』(2019/日)
劇場にて。両親と死別しながら涙も出ない、駆けつける友達もいない、デフォルトで孤独な4人の少年少女。過酷な運命すらベリーハードモードのゲームと捉えて、感情ないからゾンビなんだ、絶望ダッサ、とばかりに進んでいく物語。これも秀作でした。

リトルゾンビーズの4人から気持ちが離れないのは、彼らが人生で初めて、気持ちをわかちあう同志を得たのがわかるから。120分の長さもやむ無しの、実は丁寧な4人の心情描写が作品に厚みを与えている。レトロゲーなフレームとセリフ、音楽でポップに覆われているけれど、相当過酷なモラトリアム。

4人が辿り着いた音楽「リトルゾンビーズ」は大人達の手で広められ反響を呼ぶも、別の波紋もよんでしまう。両親との死別の時と同じように、彼らの手の届きようのない場所での出来事ゆえに。このクソゲーのような人生はいつゲームオーバーなのか。幻想的な回答に力強いものを感じました。感想オシマイ。

キャストで特筆すべきは、やっぱりイクコ役の #中島セナ。モデル出身の13歳、2006年生まれ。存在感が突出していました。人生3周目のような落ち着きというか、『blue』の主演、市川実日子の不敵と、小西真奈美のコケットを足して2で割らない感じというか。いい映画にたくさん関わって欲しいです。
(2019年6月16日感想)