映画村長

ウィーアーリトルゾンビーズの映画村長のレビュー・感想・評価

4.6
ちょうど『ねほりんぱほりん』で「東日本大震災で家族が行方不明の人」をやっていたが、近いものを感じた。父が津波で行方不明でも涙が出なかった。周囲には冷たい人間だと思われてしまうつらさ。おそらく無意識の防衛本能が働いていると思われるが、そもそも人の感情は他人に規定されるものではないのだ。リトルゾンビーズの4人は現実と感情が追いついていない。涙が出ないのも味がしないのもそういうこと。他者から見ればわけのわからない行動も、本人達にとっては必死なんだ。そして自分たちの感情を探し続けている。

自分の心がわからなく、まるでゾンビのようだと自分たちを決めつける彼ら。しかし、実はゾンビなのは生きることを何も考えていない我々の方だ。彼らは自分たちが「ゾンビだ」と気づいているから走り出す。必死に生きている。単なる中二病と言ってしまえばそれまでだが、そんな中二病をポップに、色鮮やかに描いたのは実は珍しい。そして希望の見えない、やりたいことも特にない、そんな死んだように生きている若者はたくさんいる。非常に現代的な作品だと思う。今の若者は、本当に絶望の中をゾンビのように生きている。