かんふーきゃっと

ウィーアーリトルゾンビーズのかんふーきゃっとのレビュー・感想・評価

3.7
○子どもたちの言葉が本当に辛辣。ポップでブラック、毒々しくも爽やかな一品。言葉の掛け合いのリズムが良く、漫画的でありながら中学生のリアルなやり取りにも見えた。

○カメラが新鮮で2DのRPGゲームみたく真上から引きで撮ったり、手から離れた物を視点に据えるなど面白い。見せたいものをガッツリ捉えたり、変な構図ありきで撮ってみたり。
 BGMはピコピコの電子サウンドでレトロゲームぽくてグー。「STAGE〇〇」といった感じで場面転換するのも実にゲームっぽい。っていうか、そもそもそうゆうコンセプトなのだね。
 佳境での曲、MVもとても良い。「神聖かまってちゃん」とか想起した。

○ドギツい設定を基礎としているので、物語としての決着をどうやってつけるのかと思ったが、そもつける必要性など余裕で感じていない風でもあった。結局イイ意味で力感の無いフォームでもってそこら辺をブン投げつつ、だが描くべき所は描いていたので悪くないと私は思った。後半ダレたかもだけど、テンポ良くインパクトと新鮮味に溢れた2時間だった。
 ※エンドロール後に映画を締めるワンシーンがあるので忘れずに※

 思考実験でありながら薄エモい青春モノ(エモの使い方あってる?)の顔も併せ持ち、監督の世界観・センスが光る作品でした。好き嫌いは分かれるかも。