泉鏡花の小説のように、「美」にトコトンこだわって、色彩豊かに作られた芸術性の高い映画でした。表面的にはとても美しい作品でしたが、中身は全くありませんでした。率直な感想を言うと、面白くなかったです。
太宰治のファンとしては、小栗旬ではイメージが合わない。もっとダーグで、キザっぽくなくて落ち着いた雰囲気の男でなければ太宰は務まらない。
「人間は恋と革命の為に生まれてきた」
確かに、太宰は自身の作品の中でそのような発言はしていますが、太宰治自身が、実際にそのようなことを、誇らしげな顔をして発言すると思っているのでしょうか。
太宰の作品をキチンと読んでいるならこういう発想には至らないのではないかと思います。
三島由紀夫役に高良健吾はまだあっている気がする。むしろ、若き日の三島由紀夫を演じる高良健吾を見てみたい。だが、坂口安吾に藤原達也を選ぶ意味がわからない。明らかにイメージが合わない。