サウナー

人間失格 太宰治と3人の女たちのサウナーのレビュー・感想・評価

4.3
期待を大きく上廻る面白さだった。過去作の『ヘルタースケルター』『さくらん』では内容の薄さに蜷川監督ちょっと舐めてました。

本作では太宰治という劇場で美踊する3人の美女という独自視点がとても面白い創作になっていました。『紙の月』でも脚本した早船歌江子さんと鈴木清順ばりの世界観を描く蜷川監督のタッグがハマっていたと思います。

カラフルで原色の印象が強い蜷川監督ですが本作では影や黒をベースにカラフルなライティングがめちゃくちゃカッコ良くドラッキーでした。

太宰治という魔法の鏡に自身を投影する女たち、徐々に本性が見えてくるストーリーテリングに飽きることなく魅入ってしまった。

特に好きだったのが文芸界に放り込まれた一般女性役の二階堂ふみちゃん。
太宰に映し出される自身の性。
プロ心中リストの太宰の手首の紐を絶対に解けない結び方調べてきてたから!には笑った。

正直太宰役に何故小栗旬なのかずっと疑問を持ちながら見ていましたが、後半になり破滅的に見えた太宰の半分は洒落だからってキャラ造形にとてもマッチした配役でした。

個人的なマイナス点は冒頭の『恥の多い生涯を送ってきました』は本作にはミスマッチだったかなぁと。
あとエンディング曲のチバユウスケは直球過ぎてダサく聴こえてしまった。ラストの絶対に解けない紐に引き笑いしてる太宰の表情なようなおどけたような曲の方がカッコ良かったかもと。

偉そうに言いましたが、全体としては素晴らしく次回作以降も蜷川実花監督要チェックです!