午前3時のファズギター

人間失格 太宰治と3人の女たちの午前3時のファズギターのレビュー・感想・評価

3.2
見るって決めた日何も考えず、買ったけど手をつけて
なかった「斜陽」を行きの電車でたまたま読んでて
「人間失格」にノータッチだった私は
めちゃくちゃ斜陽って単語が出て来てまず驚いた。
あぁあの不良息子直治ってのはこいつか、と。
両方小説は持ってるけど斜陽を先に選んで正解。

まずまあみなさん言う通り蜷川実花の手にかかれば
蜷川実花の物になってしまう。
花の使い所と色分けとサントラが良かった。ただ、
カットに余韻があまりないのは少し疲れてしまった。

物語は見合いで結婚した妻美知子、斜陽の主人公となった元華族の静子、夫の戦争からの帰還を待つ、斜陽の女性のようになりたかった女富栄の3人が
太宰を取り巻き、飲み込んでいくというもの。
肺結核になりながら物書きをやめない太宰を、突き放すように支えた妻美知子の厳しさの中の包容感
にしんどくなりつつ、
自分のためとはいえ献身的に支えた富栄の姿にも
しんどくなりつつ、、って感じです。
ま、いつの時代にもメンヘラっているよな。

三島由紀夫役高良健吾、坂口安吾役藤原竜也、
若手執筆編集者佐倉潤一役成田凌、静子の兄役瀬戸康史
これ本当に良いんですか、ってくらいちょい役で
しかでない。3人ともインパクトしかないから
ちょい役だとしても大きい役割だと思えば
確かに、このキャストで問題ないか。
だし、藤原竜也に関して言えば、蜷川幸雄の舞台に
かなり出演してるから、ノーとは言えないのかも。