偽名祐司

ロボット2.0の偽名祐司のレビュー・感想・評価

ロボット2.0(2018年製作の映画)
4.2
2.0に始まり3.0で終わる今年一番意味分からん系阿呆インド映画。
ラジニ御大もそろそろ引退かなあと思います。真剣に。

話はアプリ参照で。
インドのチュンナイでスマホ全てが制御不能になり飛び去る事件が発生する。
スマホが使えないだけでなく、携帯会社の人間に襲う状態まで発展しインドのロボット製作の第一人者バシーは過去に作成し、封印した伝説のロボット「チッティ」を復活させる事を決意する。
スマホとロボの想像を超える戦いが始まった?

個人的な話ですが私にインド映画の楽しさを教えてくれたのが「ムトゥ踊るマハラジャ」であり、ラジニカーント先生でした。
まあ余程のマニアで無い限り日本のインド映画ファンは同じだと思うのですが。あれから随分時は経ち、様々なインド映画が観れる時代になりました。今年も良い作品が多く日本で観られる事は幸せな話だなあと思います。

そのきっかけを作ってくれたラジニ御大ももう68歳。今作でおじさん博士とおじさんロボをやりますが、結構無理がきてます。特にダンス。

タイトル前の専用テロップも長いのでそろそろこの辺で引退されたらどうでしょうかと思います。
お姿見れたのはそれはそれで嬉しいですが。
ま、それはともかく基本的に前作知っておいた方が人間関係多少解りますが、特に知らなくても大丈夫です。

前半はスマホがトランスフォーマーかT1000かって程に集まり蠕き、集合体になって暴れまわる面白ディザスタームービーになっており、見てるとだんだん「スマホって何だったっけ?」と観てる人間の認識が揺らいできます。

別に口閉じれば良いだけな気もしますがあの死に方は嫌だなあ。
そしてバッテリーとかの概念はどこかに消え去ります。
第五の力「オーラ」真面目に出されたらもう仕方ないよね!
後、ちょいちょい画面の隅に出てくる「喫煙は駄目だよ?」的な表示ね、恐らく法律的に規制があって出さないと駄目なんでしょうが、凄くこう…邪魔ですよねえ。昔はどうでしたっけ?

ラジニ演じるバシー博士がまともに活躍する所であり、凄い綺麗な助手ロボットも活躍?します。
ちなみに前作のヒロインであるサナは電話出演なのであしからず。
なんだかんだでチッティ復活させ、ニラー、チッティ、バシー博士のコンビネーションでどうにかスマホ集合体を封印する事に成功する前半。

後半は何故か一気に凄い真面目な環境話にシフトして、スマホ事件の裏にいた博士の思いが炸裂します。
この博士パッドマンの主役の人なんですが白髪だわ、オーラ生命体になった後は怒り顔だけなので全く面影ありません。っていうか言われても解りませんよ?

ここで語られる話、鳥とスマホというか電波の話で結構耳を傾けるべき真面目な話なのですが。
しかもきっちり社会批判として「今の時代はどんなに真剣に訴えてもイイね、押してSNSで拡散したらそれで終わりになってしまう」という利便性のみが追求されてそれに抗う事が出来ない現代を皮肉っておりまして。
結構耳に痛いわけで、これ結構深刻な話だなあ、と思いシリアスになっていくと思いきや。

色々あってチッティが前作で大暴れしたVER2.0になり登場して動き出すと。
「あれ?まじめになった気がしたけど気のせいだね?これは?」という愉快痛快意味不明な大暴れっぷりを開始します。
尚前作観てる人には2度ネタなのですが、巨人化する以上、今作でライバルも巨人化するのは当然な訳で。

今回は規格外の大きさに対応する為に利用するのが磁力。
もともとチッティには磁力吸着機能という「磁力を操り自らの機械の身体を磁石のようにし、ワイヤーアクションの様に自由自在に動ける」機能があるわけで。今回はそれを使って規格外の巨大化を果たすわけですが。
そのシーンなんというかもう呆然と見てる私の脳内では何故か松崎しげるの「塊オンザスィング」が流れておりました。

なーなななななーなーなーな、かたまりだまーしー。

その後はもう突っ込みが追いつかなくなり基本的に呆然と予想の斜め上の3.0と発想と戦略と展開を楽しむ構成になります。
ある意味ロボットの続編である事が良く解る訳ですが。
締めが急に良い事諭して終わるのも前作通り。
一つ映画観たはずがなんか3つぐらい違う映画観た気になれる満腹感。

なお、今回唯一のダンスシーンはEDのスタッフロールで使われているのですが、このスタッフロールのシーンにダンスを入れるっていうのは良い発想だと思うので他もまねして欲しいなあと。

あまりにも話がぶっ飛んでいるので基本的に1が好きな人とかインド映画ファン以外だと少し評価が下がると思いますが、個人的には楽しかったなあと思います。
インドの歴代興行収入これが2位ってのが本当頭おかしくて素晴らしいなと(褒め言葉)。

才能ある人が集まってお金掛けて真剣に馬鹿をやるとどうなるか、っていう素晴らしい見本としてお勧め。