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ジョジョ・ラビットの海のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
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絶望とは、冷たく硬い地面に叩きつけられ死んでしまうことなのかもしれない、それならばもしもいつかあなたがこの世に絶望する時がくれば、どうか鳥をまねて羽をひろげてくれ。ひとは言う、あの人はいい人。あの人は悪人だった。あの人は賢い人でした。あの人は愚かだ。いいえ、いい人が悪いことをすることもある、悪い人がいいことをすることもある、賢い人の方が残酷なこともある、愚かな人の方が優しいことだってあるのです。いつも、そう思うのと同じように今日も、自分のものと全く同じかたちをした手が、兎の首を折るところなど誰一人観ることが無ければいいのにと思った。ジョジョがじぶんの手でそうしたように、わたしのこのたったひとつの右手で愛猫のからだを優しく優しくなでた。心が目に見えるものならば、指でなぞって絵に描きとり街中に貼り出すことができた。言葉は魔法だから、熟知した音と意味の羅列がひとを助け泣かせるから、語れることのなくなるまではやく語りきりたかった。愛しさよ、憎しみよ、悲しみよ、寂しさよ、絶望よ、希望よ、憐れみよ醜さよ残酷よ優しさよ死体よ温もりよ寒さよ暑さよ夕立よ戦争よ夜明けよ生きる力よ素晴らしさよ影りよ光りよ。いつもそうなんだわたしは、言葉や表現の切りの無さや、愛しさや憎しみの押し殺せ無さに、頭がおかしくなりそうになる
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