サマータイムブルース

ジョジョ・ラビットのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.8
コメディだけど、ちゃんと反戦映画してました
戦争映画なのに、まるで絵本の御伽噺みたいに映像と色彩がポップで可愛いらしい
その辺はちょっとウェス・アンダーソン監督の「フレンチ・ディスパッチ」を思い浮かべてしまいました

監督は「マイティソー・バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティさんです
本人もヒットラー役で出演しています
こんなお茶目でコミカルなヒットラーが今まであったであろうか(笑)

これを見ると、本当に私たちの知らない、たくさんの「アンネの日記」があったのだろうなと、思わずにはいられなくなりました

オープニングに流れる曲はビートルズの「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」
だけど聞いてると違和感が・・・
なんと、ドイツ語バージョンでした!!
そんなのあったんですね!!
ちなみにラストに流れるデヴィッド・ボウイ氏の「Heroes」もドイツ語バージョンです

「抱きしめたい」はジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィスくん)が家を飛び出し、ナチスの特別訓練に向かう途中で流れます
アイドルとして熱狂されたビートルズと演説で群衆から熱狂を受けたヒットラーを重ねる演出でしょうか

アメリカでドラッグに溺れて疲弊していたボウイはヨーロッパの地に戻って来ます
ドイツです
クラウト・ロックの影響を受け、ブライアン・イーノ氏と共に制作された「Low」「Heroes」「Lodger」の3枚のアルバムはベルリン3部作と呼ばれ、彼の代表アルバムとなります
「Heroes」はベルリンの壁によって分断された東西ベルリンの恋人たちちよる愛の物語です

1987年に西ベルリンの国会議事堂で演奏された「Heroes」はスピーカーの一部を東側に向けて流されました
東側でも大勢の群衆が耳を傾けました
1989年ベルリンの壁が崩壊のひとつのきっかけになったと言われています

ジョジョとエルサ(トーマシン・マッケンジーさん)が「Heroes」に合わせて軽快に踊り出すラストシーンは見てるこちらも笑顔が溢れて来ました

最後に、キャプテンK(サム・ロックウェルさん)カッコ良すぎやろー!!