このレビューはネタバレを含みます
予告で見かけたスカヨハがかわいいという軽い気持ちで観に行きました。
結果、最高に心を持っていかれました。
ワイティティ監督はソーの映画の何でも茶化す芸風が苦手だったのですが今回はその表現方法が世界観にハマってすぐに世界に没入出来ました。
10歳の少年、善悪の判断もまだはっきりつかない子から見た戦争。
うんうん、わかるわかる、軍服兵隊さんってかっこいいよね、大人の真似したい年頃だもんね。
ただ根っこが優しい子なのですぐにボロが出てしまう、ごっこ遊びのような彼の戦争。
そんな中、確実に本当の戦争は進行している、屋根裏の住人、軍服の友人、母の戦争、運ばれる負傷兵、進行してくる外国人。
普通に暮らしているだけだったのが少しずつ変化していく描写はこの世界の片隅ににも似た愛らしさ、悲しさがありました。クライマックスの大尉の行動が優しくて泣いてしまいました。たとえナチスでも差別主義者でも、愛情深い人たちばかりで誰も憎めませんでした。
印象的なレイアウト、それが本当の意味を持ったとき、あまりのあっけなさ急な展開にゾワッと鳥肌が立ちました。
足元がよく写る映画でしたね、まだ一人で結べない靴紐、靴紐を結んであげること、人に愛情を伝えること、ステップを踏み、体を揺らし、心を自由に人との踊ること。
こんな戦争の描き方があったのかと幸せな気持ちで見終わりました。
不死身のヨーキーくんが超癒やし。
