あんず

ジョジョ・ラビットのあんずのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
5.0
だから映画って素晴らしい。

とにかく抜群の可愛さで、がっつりハートを掴まれてしまった。

その可愛らしさがずっと続くと思っていた私は、往復ビンタを食らったような気分。靴と靴紐がこんなにも意味を持つなんて思わなかった。

10歳の少年ジョジョの成長と、独裁者に傾倒する人々をコミカルに、そしてシリアスに描くこのセンス。

母親とのダンスも会話も、書き綴られる手紙も、緊張の一瞬ですら、すべてが切なくて温かい。背景に戦争があるからこそ際立っているのかもしれない。

急に現れるスクリーンいっぱいの水色の壁。老女が座るその壁の前をジョジョが通りすぎるだけなのに目が惹き付けられる。
ミルクティーみたいな色調の中で時折現れる鮮やかな色がとても印象的だった。

涙が止まらないけれど、愚かな戦争に生きる人々をも引っくるめて、こんなにも純粋で愛おしいと思える映画に出会ってしまった。

スカーレット・ヨハンソンが、美しく強く優しい母親を見事に演じていた。
サム・ロックウェルも最高に愉快で男前だ。
それにジョジョは愛されてる。愛は最強なんだ。

あぁやっぱり映画って素晴らしい。
あんず

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