ゆめちん

ジョジョ・ラビットのゆめちんのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5
ジョジョ・ラビット

アカデミー賞にノミネートされた作品を、発表前に鑑賞できるのはとても幸せ。
冒頭からタイカ・ワイティティ監督が織り成す、独特な世界観に引き込まれていきました。

第二次世界大戦下のドイツ。主人公の少年ジョジョが、"ジョジョ・ラビット” と揶揄されながらも、立派なドイツ軍兵になろうと奮闘する中、家に匿われていたユダヤ人少女エルサと出会い、運命が変わっていくことに。

ナチスドイツという重いテーマを、ユーモアを交えながら、ジョジョの視線でコミカルに映し出し、靴紐とともに彼の成長していく姿が丁寧に描かれ、心に残るいい作品でした。

純粋な心を持つジョジョがとにかく可愛いらしい。ジョジョがエルサに見せるぎこちない気遣いや、大人に憧れてちょっと背伸びするところが愛おしく、親友ヨーキーとのやりとりも戦中の重苦しい雰囲気を和らげてくれました。ウインクできないのも微笑ましかったなぁ。

そんなジョジョが周りから溢れんばかりの愛を受け、優しい気持ちを失わず成長していく過程で、あどけない表情から大人びた凛々しい表情に変わっていくのが印象的。初出演とは思えない、大人顔負けの素晴らしい演技でした。

そして何より、母ロージーを演じるスカーレット・ヨハンソンが魅力的。あまり素性が明かされずミステリアスな雰囲気を醸しつつ、ユーモアも持ち合わせる芯の強い女性を見事に演じ、その存在感はさすが。

最後はキャプテンKを演じるサム・ロックウェルがすべてを持っていったでしょうか。ジョジョ親子を温かく見守りながら、勇敢で危険を顧みず支える姿は、胸が締め付けられる思いでした。

それにしても、スカーレット・ヨハンソンにはどちらでもいいので、アカデミー賞取ってほしいですねぇ〜 発表が楽しみ!
ゆめちん

ゆめちん