10歳のジョジョは、空想上の友だち、アドルフの助けを借りながら、ヒトラーユーゲントで立派な兵士になるために奮闘する靴紐も結べないナチスかぶれの少年。靴紐結びの場面が何回も出てきて、靴紐結びを通して少年ジョジョの成長が表現されます。純粋で優しくて、とてもかわいい少年。
空想上の友だちアドルフは、ジョジョの頭の中のドイツに対する忠誠の気持ちを表しています。ジョジョは少しずつ自分の考えが間違っていることに気づき、自らのアイデンティティと葛藤を始める。
アドルフは、コメディだからとても滑稽で楽しい妄想なんだけど、熱が入ると正にヒットラーの話し方になってしまい、ちょいこわアドルフになるところが、少年に対するマインドコントロールの怖さを感じた。
スカーレットヨハンソンの母親ぶりはとても素晴らしく感動的。
特にジョジョと２人で踊るシーンには涙。
キャプテン・Kは、落ちぶれたけど、心優しいドイツ軍人。
彼は、ジョジョの母親のことも気にかけていて、ジョジョの言動からエルザの存在にも気がついていたと思われ、ゲシュタポからジョジョとエルザを護ります。最後にジョジョを救うシーンはまたも涙。
ヨーキーは、ジョジョの親友で、ちょっとぽっちゃりだけど中々良い味を出しています。あのメガネがかわいい。ジョジョと会う度にハグする所はホントに癒される。
「僕たち間違っていたかも」「君の恋人は自由になったよ」の言葉からも、ヨーキーも色々と葛藤していたことがわかった。
エルサは賢くて強く、魅力的なユダヤ人少女。
「戦争が終わり自由になったら何をするの？」とジョジョの問いに「踊るの」と答えたエルサ。すべてから解放され自由になったラストシーンのダンスは、とても感動的で涙。
ホントに良い映画を観た。
昨日嫌なことがあったので、かなりストレス発散になった。
すべてを経験せよ
美も恐怖も
生き続けよ
絶望が最後ではない
R・M・リルケ
