図師雪鷹

ジョジョ・ラビットの図師雪鷹のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.4
一番の友達は脳内ヒトラー!

この一見単純な主人公の設定だけで、本作品がどれだけ魅力に溢れていることがわかる。


主人公の名はジョジョ。10歳で、将来はナチスの兵士として大活躍したいと望んでいる弱虫な男の子だ。(ぶっちゃけ、名前は超強そう、敵をオラオララッシュで戦闘不能にしそう)



まだ世界のことを何も知らないジョジョが出会うのは、自分の内なるヒトラー を脅かす存在である女の子。

ジョジョは、彼女と、大戦の激動に揺れる世界をどのように捉え、立ち向かっていくのか。



本作品の魅力は、"生きることの素晴らしさや楽しさ" を真剣に描いていることだ。
戦争という思い題材を全編シリアスに描くのではなく、その時代に生きた人々の面白さやおかしさや微かな幸せを事細かに映し出している。
それと同時に、世界の残酷さを一気に叩きつけるのも忘れない。
少年の心を捉える蝶は、見るも無残な死へと彼を導く。

ただ、ジョジョはそれでも愛を諦めない。



くたばれヒトラー !!!



そう叫んで新たな世界へ踏み出したジョジョの足は、なにものにも代えがたい輝かしいものだった。
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