はる

ジョジョ・ラビットのはるのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
5.0
やられましたよ。愛に泣かされましたよ。
ビートルズの抱きしめたいドイツ語ver.にのせてジョジョが「ハイルヒトラー」を連呼しながら街を駆けてくオープニングがとにかく可愛いらしくて、この時点では終始コミカルな映画を想像していました。
ジョジョとヨーキーが可愛すぎて、2人とも本作がデビューって事らしいんですけど、よく見つけたな!と思いましたよ。一瞬で虜になりました。大好きです。
脇を固めるのはスカヨハ、サムロックウェルと超エースの2人。この2人には特に泣かされました。まずスカヨハ。つい先日『マリッジストーリー』を観たばかりなのでスカヨハ熱が高まっていたのもあるんですが、本作のスカヨハもめちゃくちゃ良くないですか!?キュートで優しくてジョジョへの包み込むような愛は観ていて笑顔にさせられっぱなしでした。ウインクを教えてあげるシーンや何度も靴紐を結んであげるシーン、父親の芝居をするシーン。そしてジョジョへのさりげないセリフの一つ一つが素敵で今レビューを書きながら思い出すだけで泣きそうになってしまいます。そしてサムロックウェル演じるキャプテンK。『スリービルボード』でもサムロックウェルには泣かされましたけど今回もヤバかったですね。登場シーンはそこまで多くないと思うんですけど、ジョジョに対して子供扱いしたりする事なく、やり取りなんかも物凄くフェアなんですよね。何より終盤のキャプテンKは最高です。あんな男に憧れますよ。だってかっこよすぎますもん。
中盤、壁の中から登場するユダヤの女の子エルサを演じたトーマシンマッケンジー。私この人知らなくて今回初めて観たんですけど、めちゃくちゃ可愛い!ジョジョとのコンビネーションも絶妙で、シャラメ主演の『キング』に出演してるらしいので後ほどチェックしなきゃなと思いましたよ。
その他にもスーパーコメディエンヌのレベルウィルソンや『ゲームオブスローンズ』のシオンでお馴染みアルフィーアレンも良いエッセンスになっています。タイカワイティティ演じるアドルフも超良かったですね。
当初想像していたコミカルさはもちろん全編に渡ってあるんですけど、ジョジョという少年の目から見た戦争の恐ろしさがかなりしっかりと描かれています。子供達がペンより先に銃を持たなければならない現実が当時のドイツだけでなく今でもこの世界にはあるんですよね。終盤沢山の子供たちが戦場を駆けるシーンではそんな事を思って胸が痛くなりました。
1人の少年が戦争という過酷な現実の中で、沢山の愛を受けて成長していく姿があまりに愛おしく、ボウイのHerosドイツ語ver.が流れ出す時には私の中で大事な作品の一つになりました。
まだ1月ですよ!こんなに傑作続きで良いんですか!ありがとうございます!
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