あすとろ

ジョジョ・ラビットのあすとろのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
5.0
少年ジョジョは”愛”を知って大人へ成長する、階段1段分だけ。

第二次世界大戦下のドイツで臆病ながらも優しい心を持つ10歳の少年ジョジョは空想上の友達ヒトラーに助けられながらも青年団のキャンプで立派な兵士になろうとしていた。
ある日、家の隅に隠されていた小さな部屋にユダヤ人の少女がいることを知ってしまいジョジョはどうする…?というストーリー

公開時期が「1917」と近く、舞台になる年代が違うものの同じ”戦争”を題材にしている作品で本作は全編ワンカットでも伝令をする映画ではなく、その上比較的ファンタジーな設定ですがそれでも負けず劣らずな内容となっています!

本作は良質なコメディー作品である上に反戦争映画、反人種差別映画でもあります。
舞台が第二次世界大戦下でありながらもそんな中のありふれた日常で起きる緩い笑いがアクセントであり、コメディー作品としても楽しめる部分になっていて”10歳”という純粋さと知識が無いからこそ産まれる失敗も面白さと愛嬌があって戦争映画が苦手な方でも楽しんで観れるようになっています!

段々と街が戦場になっていくにつれて街中の色彩がモノトーンに近づいていくのも戦争が日常を奪っていく様子と戦争が生み出す”虚しさ”を表していて「上手だなぁ」と感じましたし、皮肉にも戦争が進むにつれて幻想を信じていたジョジョが世界を知っていくのはタイカ・ワイティティの脚本が輝いていました!
またタイカ・ワイティティ自身がコメディアンということもあってかヒトラーが忌み嫌っていたユダヤ人であるワイティティがヒトラーを演じる、という皮肉っぷり。
配役でブラックジョークをかます感じも最高だな、と感じました!

クライマックスのジョジョの成長っぷりには泣かないほうが難しいほど感動すること間違いなし!
大人へ”ちょっぴり”しか成長してないけど、その成長っぷりがたまらなく愛おしくてまた泣けること……
どこか忘れていた幼少期の頃のピュアさを思い出させてくれるような、そして愛の尊さを改めて学べたような深い深い愛に溢れた作品でした!

アカデミー賞受賞も納得の超・感動作!
既にデジタル配信やレンタル、円盤も発売されているので一人でも、家族とでも誰とでも気軽に楽しめる作品です!
ぜひご覧ください!めちゃくちゃオススメです!
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