みんと

バルーン 奇蹟の脱出飛行のみんとのレビュー・感想・評価

バルーン 奇蹟の脱出飛行(2018年製作の映画)
3.9
熱気球とは言えカールじいさんとは大きく異なる緊迫感たっぷりの実話に基づく脱出飛行。自由への執念がもたらした奇跡の脱出劇に唯ならぬ感動を覚えた。

東西ドイツの冷戦下、たかだか40年前のお話と言うから驚き。
しかもベルリンの壁崩壊の10年前、東ドイツの抑圧された生活から自由を求めて西へ。とんでもない発想での行動力は島国である日本では到底考えられない。

ひたひたと追っ手が近づく緊迫感は心臓バクバク。危機一髪、ツギハギだらけの一見可愛らしい熱気球が空に昇る映像には安堵よりも足元が竦む思い。

境界線の西と東、見えない壁の存在の如何に大きいかを痛感せざるを得ない。

また、密告社会、監視社会、今で言う監視カメラの役割が周囲の全ての人の目と言う状況にとてつもない恐ろしさを感じるところで…
改めて自由の有り難みを噛み締める作品でもあった。
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