風来坊

それぞれの正義の風来坊のレビュー・感想・評価

それぞれの正義(2018年製作の映画)
2.0
マレーシアの首都クアラルンプール。奴隷のような扱いに苦しみ故郷へ帰る事を画策する不法移民の家族。不法移民を抱える犯罪組織、汚職刑事と理想に燃える若い刑事。それぞれの人生が重なった時に迎えるのは悲しみの連鎖…。マレーシア製のクライムサスペンス。

登場人物それぞれが抱える事情を色々と説明したいのは分かりますが、視点があっちやこっちやで忙しくごちゃついてる印象。登場人物に魅力的な人がいない…。家族の奥さんだか妹だかよく分からないが、貧乏でもいい祖国へ帰りたいって…じゃあ何で来たんだよってひねくれ者の私は思ってしまう…。

いわゆる群像劇なのですがそれぞれのエピソードにイマイチ魅力が足りないですね。不法移民も刑事も自己中心的で言い分に同調出来ません。
それぞれのエピソードが1本に繋がっても、どうもチグハグな感じが否めず盛り上がりに欠けました。

意図的に荒々しくしているのか、画面の中で説明するのがあまり上手くない監督さんだなと思う。クライマックスの乱闘しか個人的には盛り上がり所がありませんでした…。

マレーシアの国内事情に詳しい人が観ると、なるほどなと思うのかも知れませんが個人的には「ふーん」という感想しかなく胸に訴えて来るものは感じませんでしたね。ただ、必ずしも正義を行う事が正しいとは限らない事を知った若い刑事呆けた顔は印象的でした。

私にはイマイチと云ったところの映画でしたが、観る人が違えば評価がガラッと変わるそんな映画と思います。
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