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新聞記者のNobのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
3.0
とても重厚な社会派ドラマで、やや荒唐無稽な設定ではあるものの、現実のニュースを想起させるその内容は、単に政権批判をしているのではなく、巷に溢れる情報の“嘘か真実”かを、受け取る側自身で見極める必要性を突き付けられているように感じた。また、メディアの放送のされ方や、それに対するネット上の反応など、かなりの部分で納得させられるものがあった。

その一方で、俳優陣に目を向けると、葛藤に苦しむ女性記者と官僚の人間心理が繊細に表現されているのは良かったが、何故この役に韓国人女優を起用したのかと最初は疑問に思った。しかし、物語に帰国子女という第三者的な存在を加えることで、事件を客観的に見せようとする制作サイドの意図があったのではと自分なりに推察し納得できた。

終盤に、政治を司る立場である杉原の上司が発した、「民主主義は形だけでいい」という生々しい台詞が、今の政治家の心の声を聞いているようで恐ろしくなった。

個人的にはラストシーンは微妙…
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