Mizi

新聞記者のMiziのネタバレレビュー・内容・結末

新聞記者(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

普段、ニュースやテレビでやんわりとしか知らない表側の政府の裏側を覗いて、痛快だった。内閣情報調査室の職に就いている杉野の葛藤が痛いほどに伝わる。過去に起こった政治絡みの出来事もリアルに記者側の視点から情報を集め、真実を暴いていく。それに対する内情の隠蔽や、嘘の情報の拡散。情報が氾濫する世の中の怖さを改めて思い知る。
元々あまり政治に関心がなかった私でも日本人ならわかる横目で流してきたニュースを思い出す。神崎さんの死は、森友学園の文章改ざん(ネット調べ)で責任を一手に背負わされた近畿財務局の職員の死を想起させる。
伊藤しおりさんの準強姦事件の会見についても描かれている。情報の印象操作によって人の目は欺かれる。
印象深い言葉があった。杉野の妻の「何が起こるかわからない。」
内情の多田の「民主主義なんてカタチだけでいいんだ。」この2つが今の日本の実情を表しているように思う。
ライシテの木から散っていく誰かは、誰かじゃなくて私達だ。
P.S.
杉野のマンションが夜景が見えるスゴいモダンなタワーマンション(なのかな?)で笑ってしまった。そうだよね。エリート官僚だもんね。羊は実は多田なんじゃないかという深読みをしました笑さすがに違った;
Mizi

Mizi