ホリ

新聞記者のホリのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.5
ラストシーンの『無音』を利用した空間演出が素晴らしかった。
声にならない声を必死に絞り出し、実際には台詞がある空間で、あえて台詞を聞き取りさせない『無音』の演出。
ラストシーンの松坂桃李(彼)の表情にはもう、戦う気力は残されていないように見えた。
新聞記者の彼女は戦い続けるとまでは言わないが、前を向いた表情で、彼に声を掛けるが、その声すらも『無音』で私たちは聞き取ることが出来ない。

声にならない声…上からの圧力…
弱者と強者…現在の日本社会の構造を体現した力強い作品。
ホリ

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