スローモーション男

新聞記者のスローモーション男のレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.2
⚠️時が経過して、この映画をあまり良い作品だと思えなくなりました。
鑑賞当時の感想です。

ある夜、東都新聞社に送られてきたファックス。そこには目が黒の羊の絵が書かれていた。テレビの政治番組を見ながら資料を集める新聞社の吉岡、内閣調査室で一人その番組を見るエリート官僚の杉原その3つを描くオープニング。面白い予感が。
 新聞社に届いたファックスは新たな医療大学建設の資料だった。しかしおかしな点があった。
 その頃、与党議員の一人が一般女性と不倫しレイプした事件が報道されたが何故か議員は不起訴になる。その後、野党が落とすために送り込んだハニートラップだったと情報が入る。しかし、それは全て内閣調査室が揉み消したものだった。
 (このときの新聞社の明るい照明と内調の昼なのに暗い照明は絶品でした❗)

 ここだけで今の安倍政権を批判していてこんな映画、日本で久々やったかもと思いました。最近、アメリカではトランプ政権を批判した映画が多いですが日本では安倍政権を批判した映画が全くなかったのでやってほしいと思っていたらこの映画がぶちかましてくれた。
 
 そしてこのあとどんどん展開が変わっていき予想外の展開へと進む。


 この映画で凄く感動したシーンは物語の鍵を握る羊の絵が何かわかるシーン。
素晴らしい解き方だった。古くから映画と本は関係があったもの。それを今の日本映画で見られたことが何よりも嬉しかったです。(観てない方は劇場で❗)

そしてラストシーンは一端ハッピーエンドで終わるかなと思った瞬間、は!?という展開で急に終わってしまう。この映画は起承転結の結がなかった。

これはバッドエンドではない最後は自分で作る。最後に杉原の上司がこう言う
「この国の民主主義は形だけで良いのだ。」これは社会主義ということでない。日本は今独裁政治へと向かっている。報道の自由が厳しく、もし、国家の不都合や悪い噂を書くものなら容赦なく圧力を書ける。それはこの映画が公開される際も同じだった。テレビで宣伝を流して貰えず、サイトにはサーバー攻撃される。それでも公開した。そしてたくさんの人の心を掴んでいる。アメリカでも公開されるらしい。我々が鵜呑みにしていた情報は間違っているかもしれない。この映画のラストと同じく圧力に負けてしまうかもしれない。それでも我々は闘わないといけない。なぜなら個人として「誰よりも自分を信じ疑わないと」いけないから。

最後に世論に屈しずにこの映画を製作した監督、プロデューサー、俳優陣、スタッフに感謝します。そしてこれからも真実を描く映画を作ってください。

長文すみません😣💦⤵️