ちみ

新聞記者のちみのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
3.8
ごめん、だったのかな
終わり方がリアルだった
最後まで協力するかしないか は、人並みに正義感罪悪感がある分杉原(松坂桃李)が自殺した上司と同じ道を辿るか辿らないかの分かれ道の1つだったはず。

ひとつの問題を自分の人生全部を犠牲にして解決するには、正しい人間が一身に受ける負担が大きすぎる。
それなら自分の感情さえ無視して見ないふりで言われたことをこなせば官僚にまでなれたのだし人並み以上の生活が送れる。力を持った人が弱い立場の人達を搾取するのが続くだけ。
社会問題に気を止める人も少なく正しいことをしたからと言って誰かが助けてくれるわけでもなく忘れ去られていく話題のひとつでしかない。

ただ、そんな中で立ち向かおうとする人を、現在の日本でも山ほどいる面白半分だったり知識不足だったりで邪魔する人間達は自分が如何に思考停止していて差別に肖り助長し、倫理観を欠いているか自分の姿をよくみつめてはくれないのか。
弱い立場の人間をより生きやすくするために声をあげてくれている人を自分は何もしないのだから軽い気持ちで殴らないでほしい。どうしようもなく踏み躙られる人間やこれから先の子どもを守りたいと思い行動する人達を馬鹿にするな。
とかのかつて感じてきた想いが呼び起こされるほど現実の出来事を、映画を通し、疑問と批判を持って投げ掛けるような作品でした。
ちみ

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