ノッチ

我輩はカモであるのノッチのレビュー・感想・評価

我輩はカモである(1933年製作の映画)
3.5
財政難に陥ったフリードリア共和国。

資金援助の依頼を受けた大富豪のティスデル夫人は、愛人のファイアフライを宰相にすることを条件に、大金2千万ドルの提供を承諾する。

一方、隣国シルベニアの大使トレンティーノは、不安定な政局を利用してフリードリアの乗っ取りを画策。

相手の弱点を探るべく、チコリーニとピンキーの2人をスパイとして送り込む。

チャップリン、キートン、ロイドに並ぶコメディアン、マルクス兄弟の代表作とも言える1本。 

反戦コメディ映画の金字塔。

フリードリアという架空の国の首相になったテキトー男と、敵国から送り込まれた2人のスパイが織り成す痛快な爆笑喜劇。 

なかなか面白かった。

マルクス兄弟の1933年の映画だったが、今見ても十分笑えた。

 鏡のギャグ(ドリフやバカ殿もパクっていた)など、コメディの古典的なギャグがふんだんに見られる。

全編通して「これでもかっ」といった具合にギャグで埋め尽くされているが、低俗でもなければ軽薄でもなく、心の底から笑えた映画であった。

セリフ回しや物語のテンポがすごく早くて、ダジャレについていくのに少々苦労したり、いまいちピンとこないギャグもあったりしたが、まあこれは流石に時代だからしょうがない。

ウディ・アレンは、落ち込んだときに彼らの映画を観ると言ってましたが、観ると本当になにもかもどうでもよくなり、彼の言葉も納得できます。

マルクス兄弟は時代的にはチャップリンとかぶってて、この作品もチャップリンの『独裁者』と比べられること多いけど、この映画からは政治的メッセージは感じられない。

ただ、残念なのは翻訳が今ひとつって感じか。

しかも登場人物AとBの台詞を一緒に表示するなんて・・・。

英語は早口すぎて余り聞き取れない。

英語字幕が欲しい。 

ちなみに志村けんと加藤茶の髭ダンスのルーツは、この映画から来てるとか。
ノッチ

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