財政難に陥ったフリードリア共和国。
資金援助の依頼を受けた大富豪のティスデル夫人は、愛人のファイアフライを宰相にすることを条件に、大金2千万ドルの提供を承諾する。
一方、隣国シルベニアの大使トレンティーノは、不安定な政局を利用してフリードリアの乗っ取りを画策。
相手の弱点を探るべく、チコリーニとピンキーの2人をスパイとして送り込む。
チャップリン、キートン、ロイドに並ぶコメディアン、マルクス兄弟の代表作とも言える1本。
反戦コメディ映画の金字塔。
フリードリアという架空の国の首相になったテキトー男と、敵国から送り込まれた2人のスパイが織り成す痛快な爆笑喜劇。
なかなか面白かった。
マルクス兄弟の1933年の映画だったが、今見ても十分笑えた。
鏡のギャグ(ドリフやバカ殿もパクっていた)など、コメディの古典的なギャグがふんだんに見られる。
全編通して「これでもかっ」といった具合にギャグで埋め尽くされているが、低俗でもなければ軽薄でもなく、心の底から笑えた映画であった。
セリフ回しや物語のテンポがすごく早くて、ダジャレについていくのに少々苦労したり、いまいちピンとこないギャグもあったりしたが、まあこれは流石に時代だからしょうがない。
ウディ・アレンは、落ち込んだときに彼らの映画を観ると言ってましたが、観ると本当になにもかもどうでもよくなり、彼の言葉も納得できます。
マルクス兄弟は時代的にはチャップリンとかぶってて、この作品もチャップリンの『独裁者』と比べられること多いけど、この映画からは政治的メッセージは感じられない。
ただ、残念なのは翻訳が今ひとつって感じか。
しかも登場人物AとBの台詞を一緒に表示するなんて・・・。
英語は早口すぎて余り聞き取れない。
英語字幕が欲しい。
ちなみに志村けんと加藤茶の髭ダンスのルーツは、この映画から来てるとか。