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グレイハウンドのmendeのレビュー・感想・評価

グレイハウンド(2020年製作の映画)
4.3
トム・ハンクスが脚本も担当し、主演もする戦争映画。
この映画大好きなので、去年AppleTV+に入ったときにまっさきに見て、また見て感動している。

第二次大戦中、ヨーロッパの連合国へ物資補給するための船団を保護する駆逐艦グレイハウンド。トム・ハンクスはその艦長、クラウス役だ。
大迫力の戦闘があり、緊迫した状況が連続するが作りは非常にシンプル。よけいなシーンがまるでなく、むだに盛り上げようとする姑息なエピソードや伏線もない。その姿勢が大変好ましく、映画を力強くしている。
ワインスタインがプロデューサーだったらもっと女を出してセクシーなシーンを作れというだろうし、日本映画だったら兵士と家族の別れを入れて泣かせようとするだろうが、そんなよけいなものは一切ない。潔い。

冒頭でトム・ハンクスがふられるシーンがあるが、すぐに艦内へ。
それからずっと海の色も空の色も艦隊の色も寒々しいブルーグレーのみ。
艦内の人間関係の描写もないまま、すぐにUボートの攻撃を受けていきなり戦闘へ。伝令がくしゃみをして一瞬報告が遅れると「今度やったらその任を解くぞ」と叱り飛ばされる。
観客もいきなりあわただしい戦闘シーンに放り込まれる。
これ以降セリフの8割くらいが「ようそろ」とか「取り舵」「面舵」「針路マルキューイチ」「アイアイサー」(たまに「アイサー」)という用語になる。よく意味はわからない。考える時間もない。Uボートがうじゃうじゃやってくるし、守るべき物資補給船が撃沈される。

コロナで配信だけになったが、映画館で見たかった。

ちなみにアメリカ海軍の距離の単位ってマイルじゃなくてキロなんだな。軍隊はみんなそうなんだろうか?
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