エアール

欲望の行方のエアールのレビュー・感想・評価

欲望の行方(2017年製作の映画)
3.6
弁護士志望の美しい女性 ハンナは
司法試験を前に
集中して試験勉強に取り組める環境を求めて
新しい住まいを探していた。

とある優良物件の内覧会で
心優しき写真家 ユリアンと出会う。
男女カップルの入居を希望するオーナーの手前
咄嗟に恋人同士だと装ったことから
始まる2人の奇妙な共同生活。

ハンナには
弁護士として活躍する恋人 マックスがいるのだが
献身的に試験勉強を手伝うユリアンに心が惹かれていく。

無事に司法試験に合格したハンナ。
そしてとある日
衝動的にユリアンと男女の関係に…


本能的に求め合い愛し合う2人、
企業へのコンサルティングやファッション誌の撮影と
2人とも仕事の方も順調、
やがて想定外の妊娠が発覚し
ハンナは娘を産む。

娘 ポーリンのためを思い
主夫として娘を育てていく決意をするユリアン、
一方で弁護士の仕事と家庭の両立を実践するハンナは
仕事の関係で家を空けることが多く
ユリアンとはすれ違いが生じてしまう。


家でも、職場でも
自分の居場所がないように思えて
頭を抱えることが多くなるハンナ、
一方でハンナとのすれ違いによるストレスが溜まり
同じアパートに越してきたシングルマザーと
突発的に関係をもってしまうユリアン、
そのことがハンナに知られてしまい
ハンナとユリアンの間には
決定的な亀裂ができてしまうのだが…


シルヴィア・フークスといきなり同居とか
そんなんありか、笑
ドキドキしっぱなしで全然休まらなそうですけどね、笑

本能のまま求め合う2人が
厳しい現実に直面し葛藤し苦しみながらも
どうにか向き合おうとする姿が
描かれてますね。
官能要素を全面に出した中身の薄っぺらい作品とは違くて、
ある種の格差問題や思い合うが故に生じてしまうすれ違いだったりと、
家族の物語として
割と考えさせられる内容が盛り込まれていて
見応えのあるものに仕上がってると
個人的には思いました。

仕事と家庭の両立、
夢を追うか諦めるか、
目の前の誘惑と失う信用、…
なかなか思い通りにいかない現実だからこそ、
互いを見失わないために
納得するまで話し合い
相手を常に思いやることが
大切さなことなんだよ、と
ストレートに伝えてくるからこそ
響きますね〜

籍は入れず
同居をしながらひとり娘を育ててるという
ひとつの家族スタイルでしたけど
終盤では年も明けましたので。
今年の”抱負”ということで
タイミング的にもバッチリだと思いますから、
新たな決意を胸にひとついい意味で前進していってくれたらな〜と
そう願いたいところです。

それにしても
シルヴィア・フークスの透明感と美しさ!!
おそるべし、笑
エアール

エアール