yumeayu

ブライトバーン/恐怖の拡散者のyumeayuのレビュー・感想・評価

3.5
"bad guy"

「大いなる力には大いなる責任が伴う」
強大な力を手に入れたスパイダーマンことピーター・パーカーがその力の使い方を誤ったとき、彼の叔父ベン・パーカーが言った言葉。
この言葉を胸にピーターは授かった力を正義のために使おうと決心します。

しかし、もしスパイダーマンのもとにパーカー夫妻がいなかったら?
"スーパーヒーロー"は決して最初からヒーローではなかった。そしてヒーローの側には必ず彼らを正しい方向へ導く存在がいた…。

今作はもし"大いなる力"をもつ者がその力を誤って使ってしまったら?というケースを描いた作品。

しかしながら、今作の主人公ブランドンの両親も決して悪い親ではなかった。子供に愛情を注いでいたし、息子を正しく育てようとしていた。
それでも残念ながら全く本人には響かない…。

これはやっぱり主人公が12歳の男の子だからなのか。
日本だと中学1年。徐々に反抗期が始まるお年頃。
親がうるさい、好きな子が振り向いてくれない、世の中の何もかもが気に食わない…。
確かに周りの大人が何を言っても響かないのは分かる。思春期と反抗期のダブルブッキング状態。否が応でもイライラするし、モヤモヤするし、ムラムラしちゃうわけです。思い起こせば自分もそうだったし、みんなもそうだったでしょ?

しかし、タチが悪いのはブランドンがスーパーパワーを持っていること。気に食わないことを全部そのパワーで解決してしまったら、それはもう地獄。
まだまだ考え方が未熟だから、私利私欲というよりは思いつきで行動してる感じが怖い。

ラストの展開は続編を期待させるような終わり方だったことを踏まえると、今作は実のところヒーローの宿敵であるヴィランの誕生物語だったといえる。
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