MasaichiYaguchi

ギレルモ・デル・トロのピノッキオのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.0
ギレルモ・デル・トロとストップモーションアニメの名匠マーク・グスタフソンが共同で監督を務めて描くピノッキオの物語は、ダークで幻想的なシークエンスと共に、世界で愛される児童文学に新たな命を吹き込んでいく。
ピノッキオというと、誰もが知っている物語だと思うが、デルトロ監督なので、一味も二味も違うストーリーを紡いでいく。
原作であるカルロ・コッローディの名作童話の大筋や世界観は踏襲しているが、激動の世界情勢を反映するかのように、そのキナ臭さを作品に盛り込んでいる。
更に、異形のもの、社会からはみ出したものに対する監督の目線が本作にもあって、それが温もりとなって伝わってくる。
その監督の世界観を支えているのが、豪華なボイスキャストたち。
コオロギのセバスチャン・J・クリケットにはユアン・マクレガー、ゼペットじいさんはデヴィッド・ブラッドリー、他にもティルダ・スウィントン、クリストフ・ヴァルツ、ケイト・ブランシェット、ロン・パールマン、フィン・ヴォルフハルトという布陣で、ピノッキオ役だけは、新人のグレゴリー・マンが抜擢されている。
この新人が演じるピノッキオは、失敗や過ちをしながらも世界を繋いでいき、苦難や困難を乗り越え、やがて真実の愛に辿り着くまでを、新しい語り口のファンタジーとして繰り広げていきます。