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ギレルモ・デル・トロのピノッキオのmのレビュー・感想・評価

5.0
ギレルモ・デル・トロによるピノキオのコマ撮りアニメ映画化は、ただ原典の物語をなぞるのではなくデルトロらしいテーマ性と更なる深みを携えた全く新しい映画として再誕した。

時代設定を戦時下に移した事で、デルトロがこれまでも描いてきた『戦争』というテーマが全面に出てくるのが今の時代に合っている。ピノッキオの子供ならではの危うさの強調もこの変更によくマッチした。

ディズニー版は『嘘をつくと伸びる鼻』というモチーフを活かして道徳を説いていたけれど、今作はもっと人生の奥深く、生そのもの・命の有限さを説く。ピノキオでこんなに深い物語が作れるとは思いもしなかったな。


何回も潰されるユアン・マクレガーに2役を難なくこなすティルダ・スウィントン、らしい役をこなすクリストフ・ヴァルツにとどめはサル(CV:ケイト・ブランシェット)という驚愕の豪華声優陣も皆良かった。常連バーン・ゴーマンがキャラデザ自体が役者本人に似せて作られているのが好き、滅茶苦茶当て書きじゃないですか(笑)

ラストはボロボロと泣いてしまった。デルトロらしい、あまりにも美しく深い大傑作だった。






これにて2022年の映画締め。皆様良いお年を。俺は紅白のLE SSERAFIMを見守りながら年を越します
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