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グッド・ボーイズのikumuraのレビュー・感想・評価

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)
3.4
【(ドローンのボタン)押すなよ、押すなよ。。?のズッコケ三人組】
小学六年生(正確にはアメリカだとミドルスクールの一年目)の冴えない仲良し三人組が、
イケてる同級生から初キスパーティーに呼ばれたためキスの仕方を学ぼうと、
主人公のパパのドローンを
(触るなよ、と言いつけられていたのに)
彼氏がいる隣人のハイスクール女子ハンナの庭に飛ばして覗き見を試みるも、
失敗してドローンを取り上げられ、取り返さなきゃ。。!
というところからさらにドタバタな展開になり、三人で町外れのモールを目指すことに。
セス・ローゲンも制作陣に加わった、
下ネタ満載の思春期コメディ。
https://youtu.be/zPXqwAGmX04

スタンドバイミーを見たあとだと、やはりいろいろ比べてしまうのだが、
今の子供はあらかじめいろいろと危険から守られている、
というのが一つのミソなのだろう
(それだけ比較的裕福な階層が通う学校、というのもあると思われる)。
自転車に乗るときはみんなちゃんとヘルメットをするし、
ドラッグはダメ!絶対!という教えもパーリーを楽しみたいお姉さんたちの前で暗誦できるくらい叩き込まれてる
(特に、三人組の一人である黒人少年ルーカスにとっては死活問題なのだろう)。
ビールだって、「おれ三口飲めるもーん」「お、おれ五口〜」(ウェエ)
みたいな可愛いものである。
な の に、 悪いことをしてしまう悪ガキ達。

とはいえ、それゆえに思春期ゆえのハラハラ感とか痛さを求めると物足りなく感じるかもしれない。
コメディという点でも、彼らの性に関する無知と行動とのギャップにフォーカスしすぎるのも、
若干世界が狭すぎる気がしないでもない。
子供の頃を振り返って、あんなに狭い世界で起きることがいつも大事件だったよね!って思い出させる映画だし、
下ネタが売りでもある、というのは確かにあるんだけれども。
彼らが触れる大人の世界(ルーカスの両親の離婚のこととか)をもっと掘り下げてもよかったのでは。

その上で、三人のキャラの描き分けはよかったし、
思春期を通過する中で「ずっ友」的関係がどう変化/進化?していくか、というテーマに繋がり、
最後はホロリとした。
主人公マックスが一番小さくて中性的というか
見かけもスタンドバイミーのゴーディ的なのに、
(ジェイコブトレンブリーはすでに名優の風格すら)
一番ませてて初恋の相手もいて初キスパーティーに行きたくてたまらない、
というのもなんだかリアル。
(この年頃で、性的関心にすごい差があるというの自体、あー、そうだったよね、という)
ルーカスは昔だったらポッチャリデブキャラにされそうだけど、
正直すぎて気が弱いのが珠に傷ながら、
正義感が強くてしっかり者の面もあって好きだった。
イケてるかを気にしてミュージカルのオーディションを受けようか迷うソーも可愛い。

ハンナ役の、Booksmartにも出ていたモリーゴードンはより実年齢に近く見えるというか、
高校生には見えなかったけど、相変わらずいい演技。
親友のリリーを演じるのがミドリフランシスという日系人女優とは知らなかったけど、
すごい存在感があって今後が楽しみ。
例のイケてる同級生もアジア系だし、マックスが惚れるのは黒人の女の子だし、
キャストが多様なのも面白かった。
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