てるる

行き止まりの世界に生まれてのてるるのレビュー・感想・評価

4.0
リアル「mid90s」だった。
片田舎の閉塞感がひしひしと伝わってくる。

しかもメインの3人のうちの1人が12年間撮り続けてきたのだから尚更。

その「世界」で普通に生きられる人にとっては「行き止まり」というのは失礼かもしれない。

でもそのコミュニティから外れてしまった者にとっては、まさに行き止まり。
同じような思いで田舎から出てきた自分には気持ちがよく分かる。

楽しい時間は永遠じゃなくて、時とともに変わっていくそれぞれの立ち位置や関係性。

大きなケンカがあった訳じゃないのに、友達とだんだんと疎遠になっていくところなんかはリアルで切ない。

それぞれが抱える後悔や不安、それでも何とか生きていく姿が映しだされていく。

ただ1つ、DVに関しては擁護出来んが。

今はどうか分からないけど、以前はパンクやハードコア系のDVDとスケボーのDVDが抱き合わせで売られてた。

大学生の頃はよくそれを友達や後輩と観てはスケボーしに行ってたことがあったけど、あの頃を思い出した。

それと同時に、あのDVDの中でスケボーしてた若者たちそれぞれに、この映画のようなそれぞれのドラマがあったのだろうと思いを馳せた。
てるる

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