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行き止まりの世界に生まれてのaizakmovieのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

3人のやんちゃで爽快なスケボーから始まったこの映画は単純な青春映画ではなかった。
スケボーに夢中になった自分たちの理由、それが父親から受けた暴力だったという共通点に驚き…。

ザックは幸せな家庭が壊れていく様子や友人を裏切って信用を失っていく姿がリアルに映されていた。
ビンは自らの問いを母親にインタビューすることで辛い過去とまた対峙していた。
キアーは明るい笑顔の裏に上手くいかない生活に悩む姿があった。

「スケボーはコントロールだ」と言っていたのがとても印象的。そして違う場面では「ドラッグだ」「一種のセラピーだ」とも。
スケボーに夢中になることで嫌なことを忘れ、スケボーを上手くコントロール出来ずにイラつくことがあっても結局はまたスケボーに辿り着く。

ロックフォードという貧しい街が舞台ではあったけど、貧しさや暴力はアメリカだけの問題ではないし、ひとりひとりが尊重される世界に変えていかなければいけない大きなテーマ。ビンは自分を投影しながら、素晴らしい映画を撮ったと思う。

キアーが最後に、父親を心から愛していると言ったのも、あぁそうなるのか、ととても切ないものがあった。
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